世界のウシ品種の中で一般にアフガンと呼ばれているアフガニスタンのウシの写真が、牛の博物館の収蔵資料の中からでてきました。これは今年の3月に故人となられた太田克明・元信州大学教授から、当館の建設準備が始まった平成5年に資料として提供されていたものです。写真には撮影地と在来種という情報しかありませんでしたが、今回の第16回企画展「世界のウシ品種100」の準備中に、当館を訪れた独立行政法人家畜改良センター(福島県)の研修員であるアフガニスタン農業省畜産課のアミリ・モハマド・ワヒットさんにアフガンの写真を見てもらったところ、「カンダハリ牛」と詳細に教えて下さいました。
太田教授は、旧ソ連が侵攻する前の1972年に畜産事情視察でアフガニスタンやイランなどの西アジアの国々を訪れ、アフガンを撮影しました。アフガンの体重は、雄350〜550kg、雌250〜400kgと、和牛と比較してだいぶ小柄です。耳が垂れ、背中に瘤があることもあり、インド牛の系統とされています。主に高地で役用や乳用の目的で飼われていることから高原型の牛とも呼ばれています。
世界的に家畜の遺伝資源において希少品種の保存が叫ばれる中、現在、政情不安が続くアフガニスタンの在来家畜の現状も気になります。これまでわが国で出版された世界の牛に関するや家畜品種の図鑑や事典にはアフガンの写真は紹介されたことはなく、恐らく当館でのニュースレターが最初かも知れません。
太田教授が記録したアフガンの写真は、博物館資料として保存されていたために、今回のアフガニスタンの専門家との出会いで詳細に明らかにされました。
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