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前沢牛を受け継ぐ家畜文化
前沢牛を受け継ぐ家畜文化
 奥州市の前沢牛が昨年10月に開催された「全国肉用牛枝肉共励会」で、市内前沢区生母の後藤久次(63歳)さんが雌牛の部で日本一の最優秀賞に輝きました。平成13年の「全畜連肉用牛枝肉共進会」で同区下小路の鈴木武さんが雄牛の部での名誉賞以来、久しぶりの快挙の知らせに、地元の牛飼いをはじめ関係者は大きな喜びに湧き上がりました。
 これまで前沢牛が日本一を受賞したそれらの大会は、牛肉の肉質を決める国内では最も大きなもので、毎年開催されており、今回で11回目の受賞に輝いたことになります。合併前の旧前沢町は人口が1万5千人程の小さな町だっただけに、その日本一になった数々の記録の実績は、他に例を見ない地域の誇りになっています。
 こうした記録を達成した背景には、牛飼いの方々の日頃の努力はもちろんですが、地元の農協や町行政の一丸となった支援がありました。それに同市江刺区に全国に知られた和人号、恒徳号、菊谷号といった名種雄牛を有していた元江刺市種雄牛管理育成センター(現在閉鎖)の存在や、また米どころ前沢は、牛の粗飼料として重要な良質の稲ワラ生産地として恵まれた環境にあったことも、前沢牛誕生の原動力となったことには間違いありません。
 後藤さんが会社を退職してから本格的に牛飼いをはじめたのは、僅か3年前のことで、ご本人は、「受賞はまぐれです」と謙遜しますが、それまで牛飼いを長年にわたり携わってきた父俊実(83歳)さんの熱心な指導と協力があって、今回の受賞に結びつきました。牛を育てるうえで心掛けていることは、「事故のないように優しく牛と接すること」だそうです。親から子へと、前沢牛を受け継ぐ家畜文化が前沢には根付いているようにも思います。
 平成19年度全国肉用牛枝肉共励会 最優秀賞受賞の後藤久次さん
受賞牛:雌 
出荷体重:658kg
枝肉重量:425kg
販売単価:11,002円/kg