「岩手山」は盛岡市の北西方にそびえる活火山で、滝沢村、雫石町、八幡平市の三市町村にまたがる、県内最高峰(標高2,038m)の山です。富士山型の雄大で秀麗な山容から、南部富士の別名で親しまれています。
山体は東西2つの火山からなります。西岩手火山の大地獄カルデラは東西約2.5q、南北約1.5qにわたります。カルデラの北側の壁は屏風尾根、南側の壁は鬼ケ城と呼ばれ、火口には御苗代湖、御釜湖、さらに植物群落の“お花畑”が広がっています。
一方、東岩手火山の鬼又沢カルデラは東西約1.2q、南北約1.7qに達するといわれています。御鉢と呼ばれる火口をもつ薬師岳があり、最も高い地点が岩手山の山頂となっています。その火口の中にある妙高岳の火口は、御室と呼ばれています。
また、北斜面の「焼走り熔岩流」は、享保17年(1732年)の大噴火で流出し形成されたもので、国の特別天然記念物に指定されています。
柳沢口などの登山口には岩手山神社が祀られており、登山道には多くの石碑や石仏が並んでいます。また、山頂にある岩手山神社の奥宮には権現様が祀られており、御鉢には63基の観音像が立ち並んでいます。
この岩手山信仰は、大同2年(807年)、坂上田村麻呂が陣を敷いた所を巌鷲山田村明神として祀り、さらに巌鷲権現として岩手山頂に勧請したのがはじまりであるといわれています。古くから信仰の対象となってきた「岩手山」の山頂で御来光を拝むのも、山岳信仰の名残です。
(岩手経済研究2010年1月号で紹介)
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